ジャパンカップの意味

今年で28回目を迎えるジャパンカップ。
創設時は競馬後進国の日本が外国馬に門戸を開いて、海外というか世界という舞台に上がりたいという意図があった。
初期のジャパンカップは外国馬の出走が過半数であり、シンボリルドルフ級以外の勝ち負けは大金星とされた。

平成となり日本の馬のレベルも上がり、いつしか日本馬の勝利や連対は当たり前となっていった。
それと同時に外国馬の出走も減り、一昨年が二頭、昨年が四頭、そして今年は三頭。
それも一流と呼ぶには程遠いメンバーとなってしまった。

この原因はいろいろと考えられるが、アメリカのBCの開催と、ドバイも含めて日本以外のアジアの国でも
国際競走が行われるようになったことは大きいと思う。

今年のジャパンカップの日本馬は確かに豪華だ。
東京優駿が三頭いて、有馬記念馬も同年の菊花賞馬もいる。
だが、こういう豪華な対戦をジャパンカップで実現する必要があるだろうか。
悪いとは言わないが、なんといってもグランプリ・有馬記念が控えている。
世代間対決、強豪と強豪の初対決という場としても有馬記念で良くはないか。

ジャパンカップはあくまでも国際競走である。
日本の出走馬はどうでもよいという意味では決してなく、
日本馬によりも少しでも多くの有力外国馬が来日・出走できるような工夫こそ第一だろう。
国際競走として色褪せる限り、同じような性格のレースが3つ(天皇賞・秋、JC、有馬記念)も連続で必要ない。

JRAは、G1レースの開催を頑なに春と秋に集中させている。
ジャパンカップダートにしても、この時期の開催ではダート競馬では世界一であるアメリカの強豪は絶対に来ない。
何故なら、たった一ヶ月前に総決算のBCクラシックを終えているからだ。
(さらに今年は右回りの阪神開催に替え、アメリカの参戦を失くす気かと思ったが三頭の参戦を見た)
そうである以上、ジャパンカップと同様、国内に数多ある他のダート重賞と変わりなく、
国際競走という意味では全くおもしろくない。
春にはドバイがあると言うなら、夏の新潟あたりの開催でもかなりおもしろいと思う。
あれだけの競馬場なのだから(アクセスは悪いが・・・)、1つや2つはG1レースの開催があっていい。

さらには再来年までに全てのグレードレースに外国馬の出走が可能になるという。
その中で「国際招待」という違いがあるとは言え、ますます存在意味のない競走になってしまうことは必須だろう。
JRAも世界に煽られた形でではなく、自己発進で国際的な改革が必要な時期がとっくに来ている。