忘れえぬ名馬vol.3 ノースフライト

~ひまわりと月見草~

1990年4月12日生

父トニービン 母シャダイフライト

11戦8勝

「お前のせいでG1がつまらん!」

ONが太陽に向って咲くひまわりなら、俺は月見草
野村克也氏の有名なセリフである。

同期に2冠馬ベガ、砂の女王ホクトベガがいた。
さらに2つ下の世代には牝馬ながらに菊花賞に挑戦したダンスパートナーがいた。
彼女らは名牝の話題になると必ず出てくる馬である。
対してノースフライトがこの手の話題に出てくることはあまりない。
短距離という、目立たない路線を走ったから?
海外遠征という、脚光を浴びる舞台に立たなかったから?

ノースフライト。
4歳(旧齢)春にデビュー。
4戦目で重賞に挑戦し、古馬相手に見事勝利。
その勢いでGⅠ・エリザベス女王杯に出走。
2着に敗れたものの、その年の2冠馬ベガには先着した。
その後重賞を3連勝し望んだ安田記念ではスキーパラダイスやサイエダティなど、世界の名だたる強豪を退け優勝。
スワンステークスでは最強スプリンター・サクラバクシンオーに敗れたものの、続くマイルチャンピオンシップでは見事リベンジに成功、 牝馬ではただ1頭の春秋マイルGⅠ制覇の偉業を成し遂げた。
太陽は嫉妬を抱かせるほどに眩しい。
しかし
闇にボンヤリと光る月の存在感も太陽に負けてはいないはずだ。
ノースフライトの輝きもまた太陽に劣るものではない。
稀代の名牝として後世に語り継ぎたい1頭である。

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